投稿者:8799 様 |
自分は郵便局に勤務している。 これは、お中元小包配達で目も回るような忙しさだった、 先月22日の夜10時ごろの体験である。 海沿いの道、といっても高速道路が頭上にかぶさり、 その足元に工場がまとわりついている脇を走る幹線道路を局に向かって走っていた。 道路は三車線で走っている。 車も場所柄か大型トラックが多く併走すると郵便バイクでは心細い。 左の路側帯を邪魔にならないように走る。 信号待ちをしていると後ろから郵便バイクが走ってきた。 このあたりを走っているということは同じ局の同僚のはずである。 お互いこんな時間まで大変だよなあ・・ 振り返って軽く会釈した。 が、むこうは反応しない。 無愛想なやつ・・・ はて、誰だっけ。うちにこんな奴いただろうか。 バックミラーの中のその顔に見覚えがない。 信号が変わったのでスロットルをひねる。 しかし、エンジンが止まってしまった・・・。 エンジンがなかなかかからない! というのはこういう話にありがちだがエンジンがかからない以前に、 バイクのキックスタータが動かない。 体重をかけて踏み込んでもピクリともしない。 エンジンが止まるのはよくあるバイクだったが、 スタータそのものが動かなくなるのは初めてだ。 その横を後ろにいた同僚が走っていく。 そのバイクに目をやった瞬間・・・ 自分のバイクから転げ落ちそうになった。 その郵便バイクには後輪がなかった。 正確に表現すると、バイクの後ろ半分、キャリーボックスから下がない。 事故でぐちゃぐちゃになったかんじではなく、はじめからつけられていない感じであった。 その異様な姿の郵便バイクに、周囲の車は気づいていないようだ。 そのまま、その先にあるトンネルの闇に彼は消えていった。 それからすぐに、ピクリともしなかったキックスタータが作動し、エンジンがかかった。 あの郵便屋は一体どこに何を配達しているのだろう・・・? |